予備試験と司法試験は、法曹(裁判官、検察官、弁護士)になるために必要な試験ですが、難易度が違います。まず、それぞれの違いの確認から。
予備試験とは
予備試験の目的
予備試験は、法科大学院を経ずに司法試験を受験するための資格を与える試験です。通常、法曹を目指す人は法科大学院を修了する必要がありますが、予備試験に合格することで、そのステップを省略し司法試験を受けることが可能です。
特に、法科大学院に通うことが経済的に難しい人や、学士号を持たない人にとって大きなメリットがあります。
予備試験の受験資格
予備試験には学歴や年齢の制限がなく、誰でも受験することができます。
これに対し、法科大学院に入学するためには通常、大学の学士号が必要です。また、予備試験の合格者は法科大学院修了者と同じく、司法試験の受験資格を得ることができます。
試験の構成
予備試験は、短答式試験、論文式試験、口述試験の3段階で構成されています。
すべて合格することで、司法試験に挑戦することができるようになります。予備試験は、特に法律の基礎知識や論理的思考力を問うもので、幅広い法律知識が必要です。
短答式では法律とは直接関係ない、一般教養が出題されます
司法試験とは
司法試験の目的
司法試験は、法曹資格を取得するための最終的な試験です。予備試験または法科大学院修了を経て、法曹の道を進むためにはこの司法試験に合格する必要があります。司法試験に合格すると、司法修習を経て法曹資格が付与されます。
司法試験の受験資格
司法試験の受験資格は、法科大学院を修了するか、予備試験に合格することで得られます。法科大学院修了者が通常のルートですが、予備試験に合格することで、法科大学院を経ずに司法試験を受けることが可能です。
試験の構成
司法試験は短答式試験、論文式試験で構成されています。しかし、その難易度は予備試験よりも高く、特に実務に直結する法律知識や応用力が重視されます。
予備試験と司法試験の主な違い
目的の違い
予備試験は司法試験を受験するための資格を与える試験であり、司法試験は法曹資格を取得するための最終試験です。予備試験は司法試験の前段階に位置づけられます。
受験資格の違い
予備試験は、学歴や年齢に関係なく誰でも受験できます。一方、司法試験を受験するには、法科大学院修了または予備試験合格が必要です。
難易度の違い
予備試験も難易度が高いですが、司法試験はさらに難関であり、特に実務に即した応用力が求められます。司法試験に合格することで、法曹としてのキャリアがスタートします。
分かりやすく言うと、予備試験は旧司法試験レベル。現在の司法試験はさらに難しい実務型の試験です。
論文試験の答案でも違いが分かります。予備試験は4ページ、司法試験は倍近いです。
もっとも、予備試験合格→司法試験の順なら難しくはない
この記事を読まれている方は、予備試験の合格を念頭にされている方です。
司法試験における予備試験経験者の合格率は高いです。つまり、この順番で進めば、司法試験の合格が難しくないことが分かります。
まとめ
予備試験と司法試験は、法曹を目指すための異なるステップを担っています。
予備試験は、法科大学院に通わずに司法試験を受験するための資格試験であり、司法試験はその資格を得た者が法曹としての道を歩むための最終試験です。それぞれの試験には異なる目的と受験資格があり、法曹を目指すルートに応じた対策が求められます。